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50章 それは他者の絡繰り言



「今どれくらいのとこまで来てるんだろ……」
ぽろっと出た呟きにレイは返事をくれなかった。雨は降り続けてて、空気はジメジメしてる。
でも何もしゃべらずに黙々と歩いてると辛いんだよね、悪天候だと尚更。
レイとの会話が長続きするとも思えないんだけど……もうずっとのぼり道だよ?
荷物もやけに重いし……水分を吸ったのかなあ。荷物、って言うほど気になる重さじゃなかったはずなのに。
雨で岩肌を滑らないように歩いてるから私の歩みは遅い。
剣より重そうなものは持ってなさそうに、レイはスタスタとのぼっていく。荷があるのは同じなのに。
やっぱりレイは超人だよ……私はレイの後を一メートルくらい遅れてなんとかついていってる。
あとどれくらいで辿りつけるのかな。宿とか、目的地までになかったりしない?
なかったらどうするんだろ。野宿になるのかな? ……でも一晩中雨宿りできる場所あるのかな。
普通の山ならともかく、この山は岩盤が露出してる場所がたくさんあるし。今歩いてるところがそう。

大丈夫かな、皆。私はレイが現れてくれたからなんとかなるかもしれないけど。
キュラと離れ離れになってたら絶望的かもしれない。この雨がやめば、良いんだけどなあ。
少なくとも、それで一人は何とかなると思う。あ、でもキュラが日射病でまた倒れるかもしれないから足し引きゼロだ。
目の前が一色黒ばかり。……あれ? あ、レイのコートの色だ。考え事してるうちに私とレイの距離が詰まってたみたい。
「レイ、どうかしたの?」
私に構わず先に進んでいたレイが足を止めていた。今更レイが私の歩調に合わせてくれるとは思えないんだけどなぁ。
下がっていた視線を上げると、レイの先には洞窟の入り口みたいなものがあった。
中は暗そうだけど、入り口は綺麗に研がれたみたいにスルスルしてて頬ずりしても大丈夫そう。しないけど。
実際に手で触ってみるとやっぱりスルスルしてて、砂が手につくこともなかった。
「ここで雨宿りしようよ、レイ。しっかりしてそうだよ」
レイは無言で頷くだけだった。何か危険だと思ったのかな? でも結局入るんだから何が出ても対処出来るってこと?



洞窟の中に入ってみると広かった。暗いし相変わらずジメジメしてるけど蒸し暑くはないから良いかな。
蒸し暑いのも嫌だけど、寒くてジメジメしてるのも。うーん、でもどっちも湿度が高いことに変わりないんだっけ。
まあ、ここなら雨脚が強くなっても洞窟の一番奥にいけば大丈夫そう。……土砂崩れ、とかもうしないよね?
ここで雨が止むまで待って、また登ってけば太陽が沈んで昇るくらいの時間が経てば着くかな?
とりあえず砂漠を渡る時からずっと被ってたマントっぽいような……外套っていうのかな、これ。
とにかく名前は知らないけど厚着になってたものを脱いだ。
あ、でもどうしよう。どこでどうやって干せば良いんだろう?吊るすにしてもあるのは岩盤だし。
私はとりあえず荷物の中に何かないか探してみた。杭とロープはあるけど……洗濯ばさみは?
荷物を詰込んでるリュックの中には食料と服と小箱と杭とロープと木槌と……袋に入ってたおはじき。
…………なんでおはじきが? そもそもこの世界にもおはじきがあるの?
うーん、何か重要そうってわけでもないし……でもこの大きさと丸みはおはじきなんだよね。
ざらざらしてるのもあるし。皆で遊べってことで入れたのかな、美紀か光奈が。
でも別におはじきじゃなくてもカードゲームでよかったのに。
準備の良い美紀のことだから別におはじきは入れないと思うんだけど……入れたのどっち?
私がおはじきを見て唸っている横でレイは洞窟の岩壁の方を見ていた。あ、そうだ濡れたもの干さないと。
私は杭を岩壁のちょうど2つ窪んでる場所に刺し込んでロープを結んだ。うん、これくらい強く結んでおけば。
マントはタオルを干すみたいに干した。洗濯ばさみがないからなぁ……ちょっと心配。
そうだ、今のうちに荷物の中にあった箱の中身も見とこっと。
砂漠を渡る時に荷物を持たされたから中身は知らない。全員入ってるものは杭とロープ以外、違うらしいけど。
でも登山用具としてなら、グローブも入れておいたほうが良かったんじゃ…………用途が違うのかな?
杭はヴァンパイアに効くっていうし。ロープはいろいろ使えるし。登山道具としては心もとなかったけど。
今だって現に私、洗濯用具として使ってるもんねぇ。杭とロープ。美紀、登山道具は用意してなかったって言ってたし。
まあ、いっか。私は荷物に入ってた3個の箱の一つを開いた。何がはいってるかな?
『パカッ』
「紙? っていうより魔法陣だけど……」
箱に入ってたのは丸い紙。しかも真ん中には円が書かれてて星座らしいものとこの世界の文字が書かれてる。
これって魔法陣、だよね。鈴実のお札は漢字ばっかだし円は描かれてないから違うよね。
お札の中には無いこともないけど……こういうのとは違うっていうか、とにかく違うんだよ。
「レイ、これって何だかわかる?」
私は洞窟に入ってからずっと岩壁ばかり見ていたレイに声をかけた。
「護符か何かの類だろうな」
少し見たくらいでレイはそう言った。護符なら鈴実のお札にもあるよ?
大事なものってことになるのかな。私はそう判断して二つめの箱と三つめの箱を開いた。
中にはいってたのはマッチの箱と何かの種。うーん、種って……何に使うの?これって食料?
マッチはわかるけど……この種の扱い方はどうすれば良いんだろう?
植えたら空高くまで伸びて雲まで届くとか? さすがにそれはないよね。童話じゃあるまいし。
いまいち使えないようなものばっかり入ってるような気がした。美紀と鈴実の荷物には何があるんだろう。


マントみたいな、ローブみたいな微妙に判断がつかない上着の下には水溜りができ始めていた。
やっぱり長い時間雨に打たれてたからたくさん水分を吸ってたんだ。
って言ってもどれくらいの時間を歩いたかなんてわからないし、外は雨だから判断しにくいけど。
とりあえずまだ明るいから昼か夕方になるのかな。朝、ってわけじゃないと思う。
夜中じゅうガーディアが砂漠越えをしてくれてたけど、起きた時は夜明け直後ってわけじゃなかったと思う。
起きて頭がしっかりとするくらいの時間はあったんだし、9時くらいだったのかなぁ。
雨が降ってから、短くても一時間は経過したんじゃないかな。
雨宿り中、皆無言になるくらいの時間はあったから。鈴実は興味がない話には10分で愛想をつかすんだよね。
美紀とレリは結構長い時間話すのに、二人とも黙っちゃう時間があったくらいだったからなぁ。
靖はなぜか雨が降ってる時はやけに静かで、緊張してるような感じがあるんだよね。
どうしてかは聞いても教えてくれないから今でも理由はわかんない。昔っから雨の日はそう。
別に室内にいる時はいつもと変わらないんだけど、外だと話しかけても返事が疎か。
七不思議ってほどのことじゃないけど、解けない謎なんだよね。鈴実もわかんないっていうし。
私は適度に相槌を打ちながらいつ雨が止むのかなぁ、ってくらいしか考えることなかったよ。
キュラもそんな感じだったけど、空を見上げてたんじゃなくて足元を見てた。
そういえば靖も時々足元に目を凝らしてたけど……雨の日の靖の行動って意味不明。
普段なら簡単に返答するのに、雨の日は慎重っていうか。もっとも室外の時だけのことだけど。
えーと、そんなことは今は置いといてー。あ、美紀が靖と二人だけだったら大変。
雨の日は無口になる靖と長話が好きな美紀だと一方的な会話ばっかでギスギスするんじゃないの?
知らない世界で迷子の状態。美紀は不安とかあったら何か会話していたくなるタイプ。
靖は靖で自分なりに考えてるんだよね。火事場の馬鹿力、みたいに。
だから雨の日の靖の頭の回転っていつもより良いし。陽気な考えが吹き飛んでるみたいで。
そういう時に声かけられると怒るからなぁ。集中力はあるけど、その分中断された時が酷い。
レイじゃないから剣を突きつけることなんて絶対に無いだろうけど……
美紀とだけだったら今頃、怒鳴りあってるかも。
仲が悪いってわけじゃないけど、揃ってる条件が条件なだけに、ねえ。
「うーん、もしそうだったらかなり危険……まじやば」
靖と美紀が2人だけってことになってませんよーに。最悪その組み合わせだけはありませんよーに。
私は心の中でそう祈った。私、靖と一緒に落ちておいたほうが良かったかなぁ?
でもそんなことしてたら私の命が危ないよね。レイも現れることはなかっただろうし。
靖と美紀が2人だけってことになってませんよーに。最悪その組み合わせだけはありませんよー……
『っーから、なんで―――だ!』

明日は晴れますように。出来れば今すぐ止んでくれますよーに。
……この怒鳴り声、しかも山に響くくらい大きい声。私が心の中で願うことは瞬時に変わった。
っていうか、もう変えるしかないんだけど。明日は絶対に絶対、晴れますよーに!!
最悪なコンビになっちゃったみたい。美紀と靖の、2人だけ。最悪すぎる。
鈴実かレリかキュラの誰か一人でも入れば靖が怒鳴ることなんてないんだってばーー!
靖の怒鳴り声が山びこになって聞こえてくるくらいになるといえば、この組み合わせを意味していた。
雨の日に。よりによって、こんな大雨の靖の警戒心が強い日に皆と分散しちゃって。
しかも美紀とだけなんて……私は他の3人よりも、雨の日最悪コンビの方がすごく心配になった。




「…………」
少年は終始、無言。少し前には山びこが発生する程に怒鳴っていたけれど。
「……れば良いのかしらね。靖、ちょっと聞いてる?」
あからかさまな、無視。
しかしそのことに気づいていようがいまいが関係ないがしゃべり続けるほうも悪い。
反応を返さない者にしゃべり続けるというのも如何なものか。
要はしゃっべっていなければ落ち着かないということだろうが寡黙な人間にはうっとおしい。
よくしゃべる少女に対し少年はしゃべらない。言葉を返そうとはしない。
ふーむ、この子達。果たして辿りつけるのか心配だけど…………
でも自力でこちらまで来てもらわないことには私も手のだしようがないものだから。
ほんとに人選はこれで良かったものなのか。カースさん、あなたが選んだんじゃないだろうが。
この子らは平凡な子供たちだろう。あれを渡したところで制御できるかどうか。
私の予測では三人しか制御のできそうな子がいない。あれがもし制御しきれず暴走をし始めたら……
普通でさえ村一つ滅ぼせる威力を持つ。その気になれば国一つ、完膚なきまでに。
使うその場にあれの力を増幅するもの、力の強い魔導士がいれば村一つどころじゃなくなる。
霊導師ならば敵味方関係なく、ただの通りすがりでさえもあれの範囲にいたのなら。
カースさん、ちゃんとこの子達があなたの許まで届けれる保障は、ないじゃないか。
何も知らせないほうが良いとして、今回だって何も教えていないんだろう?
何を運ぶのか。そしてそれは何の為に、使うということか。あれがどれだけ深刻な物なのか。
あれは、殺戮の道具だ。凶悪な霊術と永年縛り付けられていた邪魂の憑いた……
精霊の力を施しただけのような神聖な物じゃない。それを承知で何も知らない子らに運ばせるというの?
あなたの先見は何を見たか知らないが、未来は変わるものだ。良い方向にも、悪い方向にも。
途中で間違えたら……まず最初に犠牲になるのはあの子らだ。私ら側も、当然。
召還具といえば聞こえは良いかも知れないが……死神を、呼ぶ道具のどこが……
それでも使うざるを得なくなるような世界にしようとしているのは、誰だ? あの男だ。
どうしてこうなってしまったのだろう。連鎖を止める事は私で出来たはずだった。
緩んだ歯車、願うことには動かない縄。それは繋がってどこかの国を破滅へと導く。
もともとは時代の変わり目に払う犠牲を抑える為の物なのに、何故命を奪うしかないのだろうか。
人に殺戮をするだけの理由は、どこにあるだろう。私にはわからない、断言するには荷が重過ぎる。
何故このことが水面下の出来事で留まっている。この先にあるのは、世界を揺るがしかねない戦争だのに。





「美紀、構えろ」
一瞬小さな音がした。草の中を何かが進む音だった。すくなくとも、大きかった音に少し安心した。
恐れていた音じゃない。あれは人間や大きな動物がたてる音だ、でも音の正体はどっちも違う。
「は?」
僅かな音に美紀は気づかなかった。ずっとしゃべりっぱなしだったからってこともある。
俺でも警戒してなきゃ気づかない程の音だった。美紀の話に集中してたら気づかなかった。
俺たちが落ちた場所は偶然、森らしい場所で木々がクッションになりハンガーになりで助けられた。
他の奴らもそうして助かってるといいんだが……それ意外に助かる方法があったとも思えない。

木と木の横の幅はだいたい三メートルくらいだ。縦幅はおかしいことに、一メートルも間隔がない。
おかげで木に囲まれた道はほぼ一直線、しかもそのずっと先には草むらがあった。
ゲームならこの先絶対、魔物かなんかがいる。しかも中ボス級。
俺は草むらの中に何かいると確信した。まだ草むらとは十分距離がある。射程七メートルほど。
「良いから弓と矢、構えろ!」
こういう遠距離なら弓矢だ。距離は目で測るには遠いくらいなら弓矢を構える時間はある。
相手が一気に飛びかかるにしても。美紀はまだ状況を呑み込めていない。いつもらしくなく。
それでも俺が剣を抜くと、美紀もようやく俺の言わんとすることがわかったのか荷物から弓矢を取り出した。
美紀が構えると同時に俺はひいた。狙いを定めやすくする為に。
弓をひく時には美紀もさすがに静かになる。矢をつがえ、キリキリと引き絞る。
『ダンッ!』
草むらから赤い何かが飛び出したのに遅れて矢が弓を離れた。
風を切る音が雨音を潰すかのようにして数秒の間に敵と矢の距離は縮まっていく。
俺は美紀の前に出、剣を構え矢に続いて走る。俺らのほうが少し、分が悪い……

虎のそれに近い咆哮があがった。俺との距離は若干二メートルほどしか、ない。剣を振り上げるのはまだ早い。
赤い何かが減速し後ろによろめいて留まった。その時俺らは初めて赤いのは何なのかを知った。剣にまず、雨を切らせた。
子鬼だ。ゴブリン並みの顔で、背は俺よりも少し低い。美紀の放った矢は深く突き刺さった。人間でいう鎖骨あたりに。
ヒクヒクと全身が痙攣しながらも、まだ生きていた。子鬼は走り俺らに向かってくる。さっきとは断然動きが遅いが。
俺は剣をなぎ払うように振った。切っ先は狙いあやまらず子鬼の首に軌道を残した。
それが大きな痛手だったかのように、子鬼はしゃがれた呻きをあげながら前に倒れこんだ。
倒れてからはもう痙攣すらせず子鬼は動かない。……やったか?
長い沈黙が下りた。初めて、剣で魔物を斬った。その感触はなぜか大きかった。
「やった、な……」
剣をなぎ払うようにした。でも本当はあんまり型がよくなかったな、という感触だけが残った。
俺らは子鬼の横を通り過ぎて、その場から遠くなるまで黙っていた。こんなもんで、良いのか……?


覗きこんでいた水晶の中では一つの戦闘が起こっていた。
草むらの中から襲いかかった子鬼を弓矢の一撃と横なぎに払った剣だけで斃した。
へえ……意外とあの年齢の割にはできるようだ。頭の回転は悪くない。
寡黙だった黒髪の少年は赤い子鬼を斃すには剣だけでは不利と悟っていたのか。
それともただ先制するためにだったか。どちらにしても、弓矢の一撃で明暗を決めた。
この二人だけは辿りつけるかどうか心配だったけれど、無駄な心配だったようだ。
他の子はどうなってることか……右手をゆらゆらと水晶にかざしてゆっくりを握るように、動かす。
一瞬本来の水晶、透明に戻りまた水晶には遠く離れた光景が映り始める。
ぼやけていながらも、少しづつ水晶の中にある霧が晴れてくっきりと映しだされゆく。
黒髪の少女と青の髪をしている少年が暗く狭い場所……山の中の洞窟にたどりついた。
もう近くまで来てる。あとは入り口さえ見つければ私の許へたどり着ける。
この二人は心配無用だった。何せあの少年は突然少女の目の前に現れ、魔物を斬った。
あそこまで綺麗に決まることも滅多にない。剣の腕は先ほどの少年以上に確かと見えた。
また右手を水晶にかざして映す風景を選ぶ。あの金髪の少年と少女はどうなっていることだろう。
水晶にはっきりと映った時には、不意にも私は唖然として口に手を当ててしまう。

岩盤を……水流で削っている?! そんな無茶な……いくらなんでも、それは。そんなことが。
水流、正確にいえば雨粒が群れをなしている魚のように岩盤にぶつかっていた。
作業はじりじりとではある、だが着実にそびえたっていた岩壁は形を崩されつつあった。
少年は固まっていた。無理らしからぬことだ。一体誰が、こんなことが実現可能だと思う。
岩壁は段差を作り始め、荒削りな階段が姿を見せつつあった。
天候を利用できる魔導師などそうそういない。それも風使いではなく、水術師が?
あの子のどこに自然を利用できる程の魔力があるというのか。
同調し、流れに逆らわずそれを利用す。それは魔導師にとって難しいことだという。
それを易々とこなすなど、一体どれ程の修練を積めば辿りつける境地なのか。

魔法は本来の自然に逆らうもの。
あるはずのない物を突如呼び出しそれを攻撃する為に使う。これが魔法。
最低限必要な呪文と魔力があれば起きる現象。普通、人は魔力を高め効果を上げる為に様々な道具を用いるけれど。
身ひとつに宿る魔力と中級の呪文で、これを? そんな芸当、一国の宮廷魔術師でも出来る者などいない。
自然の流れだけでは起きるはずのないことを起こす、つまり流れに逆らい続ける。
逆らい続けることによって、魔法は発動し続ける。自然の法則を捻じ曲げれるから、魔法が存在する。
もっとも自然の流れと同調しやすいのは水を操る者と風を操る者だと、聞いたことはあった。あったけれど。
だけれど、こんな少女が。にわかには信じがたいものだった。
雨に撃ちつけられた岩壁は、削られて砂のようになっては下へと流れてていく。
数時間と待たずに、垂直だった岩壁には大きな階段ができていた。
それをひょいひょいと少女は上り、少年も軽々と階段を上っていった。
魔力に関しては、心配は必要のない。確かに、これを見れば納得せざるを得なかった。





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